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ハーバークラブ第19回講演会が開催されました 
          
日 時 平成15年6月27日(金曜日) 18:00〜20:15
場 所 横浜情報文化センター7階 大会議室
講 演 「高齢社会における社会資本整備の必要性」
講 師 講師 栃久保 修 医学博士(横浜市立大学医学部教授)
   6月のハーバークラブセミナーは横浜市立大学医学部教授の栃久保修医学博士に「高齢社会における社会資本整備の必要性」について講演戴きました。
[講演要旨]

超高齢化社会の到来とよく言われるが、政治や経済界は本当にそれを実感し、対策をたてているか心もとない。もっと社会資本整備に投資すべきではないか。日本は米国型の競争社会ではなく、島国で同一民族であり、年を取ったら皆が幸せに死んでいける国家、即ち健康福祉国家を目指すべきではないか。これが今日の講演の結論である。

日本の人口構成は2000年をターニングポイントに大きく変わる。人口は毎年200万人から
300万人は減少する。人口構成も劇的に変化し、2000年の従属人口指数(全人口に占める0歳~14歳と65歳以上の人口の割合)は2000年は47%であるが、2020年には68%、2050年には83%になる。65歳以上は働かないとすると人口の17%の人が83%の人を養うことになるる。

人間が生きていくためには[医(健康)]、[食]、[住]が大切である。高齢化社会で医・食・住を効率的に改善するにはIT(情報技術)が根幹になる。現在ユビキタス・メディカルITシステム研究会を産学協同で結成し、何時でも、何処でも、誰でもメディカルサポートが受けられるシステムを研究している。

日本の個人金融資産1,400兆円の6割は高齢者が保有している。現在のように老後不安などによりタンス預金として死蔵されていては経済は良くならない。一方、政府は800兆円の借金を抱えている。200X年には財政破綻が起き、資産価値が半減する可能性がある。悪いことに日本は少子化で介護してくれる人がいない。正に高齢者地獄である。
今のうちに高齢者が自分のために投資する環境を整備する必要である。その投資先が高齢社会資本である。

会場写真
[医]の分野では保健医療福祉産業である。その中心がユビキタス・メディカルITシステムで、健康増進と寝たきり防止を支援する。各種生体・生活習慣センサーの開発、介護支援ロボットの開発、ゲノム解析など広範囲なビジネスチャンスがある。健康増進保険なども欲しい。

[食]の分野ではIT利用による健康食提供産業がある。食生活は生活習慣病の6割に関係する。3人に一人が高齢者となる超高齢化社会では、6割くらいの所帯が単身所帯となる。健康維持には一日30種類の食材が必要になる。各個人の健康状態に応じた安くて、美味しく、健康的な食事を大量に供給するシステムが不可欠になる。

[住]の問題では、大都市に集中した人口の再配置が必要である。高齢者の地方や郊外への移動を促進する。病気の時が心配になるが、これはユビキタス・メディカルITシステムで解決できる。人間はいつかわ必ず死ぬ。平均して死ぬ前2年くらいは寝たきりになる。病院は保険の関係で2週間くらいで追い出される。長期療養型の病院は20ヶ月と言われるが、半年か1年くらいで転院を勧められる。
どう自衛すればいいか。モニターシステムがあり何時でも医者や看護婦がきてくれる環境があれば病院に入院しなくてもいい。病院の近くにモニターシステムを完備したシングルルームが1500万円程度で供給できれば。ニーズはある。健康支援型シニアハウスである。また、都市近郊や農村にはユビキタス・ケアータウンも構想できる。近所に病院がなくても現在のIT技術を活用すれば十分な医療サービスを受けることが可能である。
                                以上
講師略歴 
     1943年 愛知県生まれ
     1968年 横浜市立大学医学部卒業
     1985年 横浜市立大学医学部第二内科助教授
     1991年 横浜市立大学医学部付属浦舟病院第二内科部長
     1998年 横浜市立大学医学部公衆衛生学(予防医学)講座教授
     2003年 横浜市立大学大学院医学研究科社会情報医科学        
          情報システム予防医学 教授
     ご研究テーマ 予防医学,循環器病学,高血圧,血圧測定法,医療システム
         著書 「血圧の測定法と臨床評価」メデカルトリビューン社
            「お腹の脂肪と成人病」健康科学センター    

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